〜つづき〜
私はまたお墓に戻ってきていました。
鬱そうと茂った木々。どんよりとした空。湿っぽい空気。
粗末な柵に囲まれた小さな墓地でした。
墓石はそんなに数は多くなく、
新し目のが2つ、あとは古く小さなものがいくつか並んでいました。
この土地の地主さんのお墓でしょうか?
辺りを見回すと墓地の向かいに大きな家がありました。
ドラマに出てきそうな洋風の家。
『広い庭でお茶会とかしちゃいそうな感じだなぁ。』
しかしなぜか暗い雰囲気の家でした。
『なんでこの家こんなに暗いの?』
よく見ると庭の植木は手入れがされていないようで伸び放題。
家に人の気配はありませんでした。
『なんか気味が悪い・・・兎に角ここから出なきゃ!』
私はかなり焦っていました。
再度このお墓からの脱出を試みてベビーカーを押しました。
道の両脇から竹が覆いかぶさるように鬱そうと茂っている暗い坂道を登って行きます。
雨がポツポツ降り出していました。
坂の途中で中年の男性が向かい側から歩いてきました。
『あ!人だ!』
なぜかその男性は私の方を見てぎょっとして目を逸らし
足早に私の横を通り過ぎて行きました。
『なんだろう?道訊きたかったのに・・・』
仕方なく道を進んでいきます。
数メートル先に小学生くらいの男の子の後姿が見えました。
道を訊こうと思い、声を掛けようとしました。
しかしその途端、男の子はすぐ脇の家に飛び込んでしまいました。
『なんとなく、逃げられたような?』
『うわ〜ん!なんなんだよぉ・・・ここ、何処?・・・』
『ん?ってか、こんな時間に子供?学校早く終わったのかな?』
仕方なく広い道に出て辺りを見回し、遠〜くに見える見覚えのある高い建物を目指して歩き出しました。(なんで最初からそうしなかったのかなぁ。アホですね、私。)
かなり遠回りしたけど、やっとマンションに帰って来れました。
娘はと言うと私があんなに焦っていたのにぜーんぜん気にしてないというか
気づいていないようでした。
後日インターネットで自宅周辺の地図を見てみたのですが
マンションから200〜300メートルしか離れていない所で迷子になっていた事が判明。
こんなに近い所で迷子になってたなんてさすがにショックでした。_| ̄|○
昔話の狐や狸に化かされるって話はこんな感じなのだろうか?
地図で見る限りは迷子になりそうな要素ないし。
この土地のご先祖様があいさつに来なさい!って呼んだのかな?と思う事にしました。
それにしても・・・
道を訊ねようとした時に目を逸らして逃げたおじさん、何か見えたのだろうか?